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ブログ

2012年7月11日

デザインとの出会い

今回は私がデザイナーになるまでに至った道のりを書こうかと思います。

 
もともと絵を描くことが好きだった私は美術大学に進学し、卒業後はそこで出会った陶芸で将来の生計を立てたいと思っていた矢先、化学物質過敏症という病を患ってしまいました。

 
あまり知られていない病気ですが、身の回りのありとあらゆる化学物質(洗剤、化粧品、香水、印刷物、煙草等)に接触することで、体が不調になる病気です。一度煩うと完治することはないとされています。

 
どこに行くにも活性炭マスクを付けていてもやっとという状態で、まともに外出できない日が続きました。当然外で働くことなんてできませんし、陶芸の夢も断念せざるを得ませんでした。

 
そんな時、近所のデザイン会社でグラフィックデザイナーを募集していました。
パソコンの仕事だったら在宅でもできるので化学物質に接することなく続けられる!
パソコンは大の苦手でしたが、普通に仕事ができなくなった私は、わらにもすがるような思いで面接を受けました。
まったくの未経験でしたが、美術大学出身ということで運良く採用、半年間そこでデザインを学びました。

 
その後、2010年10月に自分の会社を立ち上げましたが、化学物質過敏症は悪化する一方で、ますます外出は困難になり、仕事も全く手を付けられない状態が続きました。

 
当時、「ランドルフ博士のアレルギー根絶法」という本を読んで、食事で化学物質過敏症を治せるということを知りました。その訳者である「市川市民診療所」の河野泉先生のところに行って食事の指導をしてもらったら、みるみる良くなっていきました。食事制限が厳しくて栄養がうまく取れずにいた時、「月のもり」さんに栄養の取り方のアドバイスをいただき、さらにそこからものすごいスピードで回復し続けました。

 
発症後2年経った今ではすっかりもとどおりに完治しました。
もう一生行けないのではないかと諦めていたコンビニ、デパート、公園、電車、もうどこへだって行けます。
さらに驚いたことに、食事療法によって病気前から慢性的に続いていた胃の不調や自律神経失調症などの体調不良まで消えてしまったのです!
化学物質過敏症になって、当たり前のことがものすごく幸せなのだと気づきました。

 
そして、グラフィックデザインの仕事に出会うことができました。この病気にならなかったら、一生出会うことはなかった仕事です。

 
今ではこの仕事が自分の「生きがい」になっています。
朝起きてから夜寝るまで一日がデザインの事で頭がいっぱいで毎日が楽しくてしかたないです。

私にこの仕事を与えてくれた化学物質過敏症という病気、「市川市民診療所」の河野泉先生、「月のもり」さん、そして支えてくださった周りの人々、その全てに感謝の気持ちでいっぱいです。

 
人生って悪いことばかりじゃない、何が起きるか分からないですね!! 

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